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コラム Vol.15

令和7年度さぬき映画祭事業「高校生映画制作講座」

令和7年度さぬき映画祭事業のひとつとして開催された「高校生映画制作講座」。会場は情報通信交流館e-とぴあ・かがわBBスクエア。2日間にわたり、高校生たちが映画づくりの基礎から実践までを体験しました。
参加者らは4つのチームに分かれ、それぞれのチーム内で監督・カメラ・俳優・編集などの役割を分担してショートムービーを制作し、講師とのディスカッションを通して「映画をどのような考え方や視点で作るのか?」を学びました。

「シーン1、よーいスタート!」



2日目の会場では、各チームで作り上げた脚本を共有し、役割分担
をしながら短編作品の撮影に挑みました。

「この角度どう?」「今のセリフ、もう一回いこう」といった声が自然に飛び交い、カメラであるタブレットの画面を囲んで確認と修正を繰り返す姿が見られました。

思いついたアイデアをその場で試し、うまくいかなければすぐ話し合う。カメラを少し動かすだけで印象が変わることに驚いたり、演じる側も「こんな動きはどうかな?」と聞き合ったりと、高校生らしい率直なやりとりが制作を前に進めていきました。



講師の映画監督・柴田啓佑さんからは「セリフの読み合わせをすることで、違和感が出てくる。言葉ではなくお芝居で表現できるものもたくさんある。」とその場でアドバイスを受けながら、頭の中のイメージが映像として立ち上がる過程を、試行錯誤しながら体感する時間となりました。

「できたことに喜ばず、本当にこれでいいのかなと考えることが重要。」
「お芝居はカットがかかるまで続ける。編集の時にもっと使いたくなるかもしれないから。」など、現場経験を重ねてきたプロならではの意見を取り入れながら高校生たちは短い時間で作品作りを進めていきました。



完成後に行われた講評会では、4チームそれぞれの作品がスクリーンに上映されました。

1チーム目の作品タイトルは、「コントローラー」
コメディから
一転してゾッとさせる展開や、主観カットなどカメラワークの工夫が高評価。一方で、初見の人に伝わる物語整理が課題として示されました。

2チーム目の作品タイトルは、「先生にプレゼントを渡したい」
日付の変化や同じ場所に戻る動きなど、画面内情報で時間経過を伝える細やかさが印象的。芝居のつながりを整えることで、より没入感が増すという助言がありました。

3チーム目の作品タイトルは、「逃走劇」
笑いが絶えない活発な話
し合いのもと、チーム一丸となって取り組む姿が印象的でしたが、役者への伝え方として、「ここら辺で…ではなく、ここで!と指示するべき、みんな尺度が違うから。どのくらい驚いたらいいのかを具体的に伝えよう。」とアドバイス。理想通りに撮れない時は新しい発想に切り替える現場力の大切さが語られました。

4チーム目の作品タイトルは、「未来の」
全画面から手元のスマ
ホ画面に切り替わるカット割りの工夫や、AIを題材にした構成力の高さが評価され、余白のある台本が「考えさせる作品」として印象を残しました。



講師陣が共通して伝えたのは、「初めて観る人に伝わるか」という視聴者目線、主人公の明確化、芝居を作ってからカットを割ること、そして台本にない“その場ならではの言葉”の価値。

生きた人間なのに、人形になってしまうと意味がない。台本にはないワード、セリフが自然に出るのが皆さんらしさであり、それが作品をチャーミングにする。」

また、まとめとして講師の柴田さんは、挑戦することの大切さを伝えていました。

「みんな優秀でいろんなことができるけど、自分のやれる範囲のことしかやっていない。仲間と意見交換しながら出来ないことにチャレンジしてみることで、新たな発見であったり、心から良かったと思えるカットができる。」

短い2日間でしたが、高校生たちは映像づくりの難しさと面白さを全身で味わい、次の創作へつながる確かな一歩を踏み出しました。